オーバーデンチャー と オールオンフォー の 違い

オーバーデンチャー と オールオンフォー の 違い

監修:おおたわ歯科医院マキシロフェイシャルインプラントセンター

院長 歯学博士 大多和 徳人

オーバーデンチャー と オールオンフォー 。共にインプラント上の最終補綴物のことを指しますが、「 違い 」はどこにあるのでしょうか。

オーバーデンチャー と オールオン4 はインプラントの埋入本数は近いものの、システムや構造、快適さ全く違います!

「オーバーデンチャーは入れ歯なのか?」「オールオン4はつけたままなのか?」と遠方からのお問い合わせが増えているため、今回は、 オーバーデンチャー と All-on-4 の違いについて記していきます。

オーバーデンチャーとは?完成までの期間は?

オーバーデンチャー
図1:オーバーデンチャーのイメージ図

オーバーデンチャーとは、インプラントオーバーデンチャーの略称です。患者さんが自由に取り外しが可能なインプラント総入れ歯のことです。

デンタルインプラントにつけ外しのためのアタッチメントを装着します。アタッチメントには、ロケーター、O-リング、ボールタイプ、マグネット、バータイプなど様々ですが、全て取り外しが必要です。

オーバーデンチャーは完成まで時間がかかります。インプラントの化学的結合の完成を待たなければなりません。これは、それぞれのインプラントにつき半年ほどかかります。エリア毎に順序立てて手術を行うと2年ほどかかる場合もあります。

オーバーデンチャーの外観と形態

総義歯とオーバーデンチャー
図2:(左) 総義歯 (右) オーバーデンチャーのイメージ図

オーバーデンチャーは総義歯によく似た形状をしています。オーバーデンチャーは総義歯にインプラントアタッチメントを装着します。全周が樹脂でできているため、十分な厚みが必要となります。それが故に、味が感じにくい形態になります。口蓋部に金属のフレームを用いる場合は厚みを薄くすることが可能となります。

オーバーデンチャーに必要なインプラント本数

インプラントオーバーデンチャー
図3:オーバーデンチャーはつけ外しが必要(この図はインプラント4本)

オーバーデンチャーに必要なインプラントの本数は2本〜6本が一般的です。インプラントと入れ歯をパチッと留めるイメージに近いと思います。接合部にあまさをあえて設けているので、食物残渣が入れ歯の下部に溜まりやすいです。インプラントの本数が多いほど維持力は増加しますが、本数が多いほど着脱時の方向の制限がかかります。

オーバーデンチャーの機械的構造

オーバーデンチャー咬合面
図4:オーバーデンチャーを咬合面からみたイメージ図

それでは、オーバーデンチャーの構造を噛み合わせ面からみてみましょう。このイメージ図ではインプラントは4本となっています。入れ歯は口蓋を覆うことで入れ歯の動きを制限します。しかしながら、患者さんによっては歯槽骨の高さが足りない方もいるため、通常の総義歯では入れ歯の動きが制限できない方もいらっしゃいます。そういう場合に、インプラントを用いることで入れ歯の動きを制限します。

オーバーデンチャーは着脱が必要です。また、オーバーデンチャーは口の粘膜の大部分を覆います。噛む力も通常の60%くらいまでしか回復しません。

オールオンフォーとは?完成までの期間は?

オールオンフォー
図5:オールオンフォーのイメージ図

オールオンフォー ( All-on-4 ) は、4本のインプラントを土台とした12本分の歯と歯肉で構成されたインプラントブリッジの総称です。ガチっとネジで締結固定されたインプラントブリッジになります。

4本のデンタルインプラントは片顎全体の歯列弓をカバーできるように傾斜して埋入されます。その角度を補正するマルチユニットアバットメントが装着されます。インプラントブリッジはネジで締結固定されるため、基本的につけたままで快適に生活ができるようになります。

オールオン4は手術当日に仮歯まで入ります。その仮歯はプロビジョナルレストレーション(美しい仮歯)と呼ばれます。これまで歯がなかったため、プロビジョナルレストレーションで食事をしながら、本歯に向けたトレーニング時期になります。インプラントの化学的結合の完成を待って、本歯に移行していきます。当日に手術は終わり、本歯が完成するのが3ヶ月〜半年かかります。

All-on-4 の外観と形態

オーバーデンチャーと all-on-4
図6:(左) オーバーデンチャー (右) オールオン4のイメージ図

それでは、オーバーデンチャーとオールオン4を比べてみましょう。形態は全く違います!オーバーデンチャーは口蓋部(口の中でいう天井部)がプラスチックで覆われますが、オールオン4はご自身の口蓋粘膜のままです。何にも覆われません!また、オールオン4はネジで固定されるため、オーバーデンチャーより小ぶりになります。患者さんによっては、「自身の歯のようで違和感が何もない」と言われる方もいます。

オールオン4に必要なインプラントの本数

All-on-4
図7:All-on-4 は4本のインプラントだけで完成します

オールオン4に必要なインプラントの本数は4本だけです。4つのうちの前方2本は0度垂直埋入、後方の2本は30度傾斜埋入されることが一般的です。骨の状態や解剖学的環境、最終補綴物の位置を考慮し傾斜角度は0度〜45度の間で調整します。施設によっては、追加で5本目、6本目とインプラントを増やす場合があるようですが、当院ではそれを「 All-on-4 」とはしていません。

オールオンフォーの機械的構造

オールオンフォー咬合面
図8:オールオンフォーを咬合面からみたイメージ図

それでは、オールオン4の構造を噛み合わせ面からみてみましょう。4つの穴がありますが、アクセスホールと呼ばれるものです。これは、角度補正されたインプラントと上部構造(12本分の歯と歯肉からなるインプラントブリッジ)をネジで締結するための穴になります。このアクセスホールをバランスよく配置することで、上部構造とインプラントを一塊の器官となるようにします。

オールオンフォーは着脱が不要です。まるで自分の歯のように装着したままになります。また、オーバーデンチャーとは異なり、口蓋の粘膜を覆われません。噛む力も天然歯以上となります。

まとめ:オーバーデンチャーとオールオンフォーの違い

  オーバーデンチャー   All-on-4 
分類 入れ歯 ブリッジ
インプラントの本数 2〜6本 4本
手術から仮歯まで 1日
手術から本歯まで 半年〜2年 3ヶ月〜半年
義歯の形態 口蓋を覆う 口蓋を覆わない
天然歯に比べた噛む力 60% 120%
使用方法 毎日着脱 常時装着

オーバーデンチャーとオールオンフォーはどちらも全顎的なインプラントの補綴物としては、全く違うものになります。せっかくのインプラント治療ですが、オーバーデンチャーは入れ歯なのです。もちろん、通常の総義歯より優れています。しかし、All-on-4 はインプラントブリッジになるため、咬合様式や快適性は優れています。また、治療にかかる日数も重要なポイントです。慌ただしくすぎる現代社会において、たった1日で治療の大部分を終えるオールオン4は非常に優れた治療方法と思います。しかしながら、オールオン4は症例によってはかなりハイレベルになるものもあります。患者さんによっては骨がやわらかい、骨が全くない、ステロイドなど特殊な薬剤を常時飲んでいる、基礎疾患があるなど条件は様々です。適切な治療計画こそが肝要となります。

治療を断られた 人でもできる All-on-4 ザイゴマインプラント

インプラント や All-on-4 を 断られた 人でもできる All-on-4 ザイゴマインプラント をご存知ですか? より引用

最後までお読みいただきありがとうございました。今回は「オーバーデンチャー と オールオンフォー の 違い」をテーマに記事を書きました。歯の深刻な悩みをお持ちの方に向けて記事を書いていますが、疑問は解決しましたでしょうか? 皆様のインプラントに関する不安を少しでも軽減できる情報を提供できればと考えています。

本ブログは「双方向」であることをモットーとしています。本ブログ読者からのインプラント、All-on-4、ザイゴマインプラントに関するフィードバックやご質問に、できる限り筆者が記事を書いたり、個別返答でお悩みにお答えすることができます。
※本ブログはインプラント・ザイゴマインプラント専門のブログとなりますのでご了承ください。

著者紹介

大多和 徳人

おおたわ歯科医院

マキシロフェイシャルインプラントセンター

院長 歯学博士
専門分野

重度歯周病 / ザイゴマインプラント

学歴・職歴

  • 九州大学歯学部歯学科卒業
  • 九州大学大学院顔面口腔外科卒
  • 九州大学病院デンタルマキシロフェイシャルセンター勤務
  • 大分岡病院顎顔面外科マキシロフェイシャルユニット勤務

所属学会

  • 日本口腔外科学会所属 認定医
  • 顎顔面インプラント学会所属
  • ICOI(国際インプラント学会)所属 認定医
  • All-on-4 ザイゴマインプラント協会 理事
  • Study Group of the Edentulous Solutions 理事

専門

  • All-on-4 ザイゴマインプラント専門医
  • 九州大学総長賞受賞
    (テーマ: 3Dプリンターによる三次元骨再生)
  • 博士号取得
    (テーマ: カスタムメードチタンメッシュでの骨再生)
  • 国際特許取得
    (主題: All-on-4 のための三次元スキャンボディの開発)

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