重度 の 歯周病 で 歯がぐらつく 噛めない 時はどうしたいいの?

重度 の 歯周病 で 歯がぐらつく 噛めない 時はどうしたいいの?

監修:おおたわ歯科医院マキシロフェイシャルインプラントセンター

院長 歯学博士 大多和 徳人

歯がぐらつく 」「 噛めない 」このような悩みで困っている方はどうしたらよいのでしょうか?

お口の中のことってなかなか家族や友人にも相談しにくいですよね。特に 重度 の 歯周病 で前歯が全部うごく場合は歯科医院でどんなことをされるのか、どんな治療法があるのかわかりませんよね。

この記事では、歯周病で上顎や下顎のほとんど全ての 歯がぐらつく ことから食事をするたび痛みがあり、 噛めない という場合や、歯科医院にいって 全部抜歯 が必要といわれたような 重度 の 歯周病 の場合について取り上げていきます。

歯を好んで抜きたい歯科医師は一人もいません

重度 の 歯周病 で 歯を残す 場合の メリット と デメリット より引用

重度 の 歯周病 で 歯がぐらつく ため 噛めない 方の口腔内写真

さて、図1の写真を見てみましょう。この写真の方は、上顎も下顎もすべての 歯がぐらつく 状態でした。食事をするたびに歯と歯ぐきの痛みがあり、 上手く 噛めない という悩みがありました。

歯がぐらつく | 入れ歯が合わない | 噛むと痛い 口腔内写真
図1:重度の歯周病で全ての歯がゆれる方の正面観

この方は、近所の歯科医院で相談したところ下顎に入れ歯をいれることになりました。しかし、今度は 入れ歯が合わない ため、噛むと入れ歯で痛いと苦悩する日々となりました。それではお口の中がどうなっているのか詳しく見ていきましょう。

まず一番に目がいくのは前歯部の 歯根の露出 です。他の前歯と連結はしているものの、全体がぐらついていて手で触っても取れそうなぐらいに揺れています。それから、奥歯も歯ぐきが下がってしまって歯根がほとんど露出しています。下顎をみると前歯部は同様に歯肉が下がってしまい、歯根が露出してぐらぐら動いています。

歯周病 で 歯がぐらつく ような口腔内の側面観
図2:重度の歯周病で全ての歯がゆれる方の側面観

図2の写真を見てください。歯と歯の間の白や褐色の異物はなんでしょうか?接着剤や樹脂により一時固定されたものが汚れているものとなります。奥歯は抜歯されているのですが、それが原因で奥歯相当部の骨に 重度の骨吸収 が生じ、歯ぐきが凹んでしまっています。

重度 の 歯周病 で 歯がぐらつく ため 噛めない 方のレントゲン画像

それでは図3の 歯周病 で歯がぐらつく方のレントゲン画像を見てみましょう。上顎と下顎どちらも前歯の根っこが真っ黒になっているのはわかりますか?これは歯周病の影響で顎の骨が溶けてしまい、歯が浮いていることを意味しています。

歯がぐらつく | 入れ歯が合わない | 噛むと痛い レントゲン画像
図3:重度の歯周病で全ての歯がゆれる方のレントゲン画像

つまり、歯の周りの骨がなくなり歯ぐきだけで歯を支えているのです。重度の歯周病とはこのような状態を指します。これでは、歯はグラグラするし、噛むと痛い です下顎の奥歯あたりを見ると右側も左側も歯がありません。これにより下の前歯が上の前歯を突き上げる状態になります。すると上の前歯は突き上げられることにより揺れ始めます。

なぜこのような症状を引き起こしてしまうのでしょうか?この方から聞いたお話を元に、予測されるこの方の経過をステップ毎に以下に箇条書きします。

Step 1. 虫歯や根の歯周病の増悪により歯を1, 2本抜歯されたが放置
Step 2. 全体的なプラークコントロール(歯と歯ぐき周りの管理)の失敗
Step 3. さらなる歯周疾患の増悪により全体的に歯が揺れ始め複数本の歯の抜歯
Step 4. 入れ歯を製作したが使用感が悪く、結局入れ歯を使用せずに放置
Step 5. 入れ歯を使わないことで前歯噛みになり、上の前歯がグラグラになった

以上のように口腔内は、歯や歯ぐき, 骨などの歯周組織で構成されており、一つでも欠けて放置すると相互関係からどこかに不具合が出ます。これが長期間に渡ると、上の写真のようにどんどん症状が悪化してしまいます。結局、全ての歯がぐらついてしまい、治療したいがどうしていいのかわからないということになる場合があります。

重度の 歯周病 で 歯がぐらつく ため 噛めない 方の治療法

重度の 歯周病 でほとんど全ての歯がぐらついたり、噛めない と悩んでいる患者さんへの主な治療選択肢を下記に列挙します。

  1. 歯を抜かない保存療法
  2. 入れ歯(総義歯)
  3. オーバーデンチャー (インプラント上の入れ歯)
  4. GBR , サイナスリフト (待機法: インプラントブリッジ )
  5. All-on-4 ザイゴマインプラント (即時法: インプラントブリッジ)

歯がグラグラして、骨から分離し浮いているような重度の歯周病の場合、抜歯をしなければなりません。しかし、抜歯をするということは歯を作らなければなりません。つまり、歯科医師は無計画には歯を抜くことができないのです。

例えば、一本だけ抜歯をする場合や、右側の奥歯だけで左側が噛めるような場合は、患者さんの私生活への影響はそこまで大きくないので計画は立てやすくなります。

しかし、全ての歯が揺れていて、全ての歯を抜歯をしなければならない場合、患者さんの私生活への影響が大きすぎるため計画はとても難しくなります。

1. 歯を抜かない保存療法

この記事で紹介しているのは触っただけでグラグラするほどの重度の歯周病の患者さん向けとなります。重度の歯周病とは、歯の周りの骨が吸収してしまい骨と歯が分離して浮いているような状態の歯と歯の周り組織の状態を指します。

歯を抜かない保存療法で対応できる場合は、重度の歯周病ではありません。中等度の歯周病になります。中等度の歯周病の患者さん向けの歯を抜かない保存療法はこちらのページを参照してください。

2. 入れ歯(総義歯)

入れ歯
図5:入れ歯のイメージ図(着脱式)

入れ歯の場合、あらかじめ型取りをして即時義歯(仮歯)を製作しておく必要があります。歯がかなりぐらついていると、型取り(印象採得)だけでも歯が取れてしまう恐れがあるので注意深く型取りを行います。

施術日に、ぐらぐらの歯を全て抜歯し、即時義歯を装着します。しかし、歯を抜いた後の歯ぐきや骨の形態は必ず変化するため、即時義歯は必ず合わなくなります。半年後を目処に義歯の新製が必要となります。十分な歯槽骨(歯の周りの骨)がある方は機能を発揮する治療になりますが、重度の歯周病の場合、十分な歯槽骨がないため、入れ歯 がしっかり噛めないや噛むと痛いと訴える方は多いです(特に下顎)。

3. オーバーデンチャー (インプラント上の入れ歯)

ロケーター
図6:ロケーターのイメージ図(着脱式)

図5の総義歯の機能を一部補強する方法です。 図6で示すようにインプラント を2本から4本 ほど用います。 インプラント の上部に ロケーターアバットメント と呼ばれる嵌合構造を設けます。 入れ歯 に設けられたキャップ部分と ロケーターアバットメント の嵌合がハマることで 入れ歯 の動きを抑制します。

インプラント 埋入から半年ほど待機し、 オッセオインテグレーション (インプラントと骨の化学的結合)が完成してから施術するので、重度の歯周病の場合、治療計画が長期間に渡ります。難点は、入れ歯の完成に時間がかかることとインプラント2本だと安定度が劣ることがあることです。

4. GBR , サイナスリフト(待機法: インプラントブリッジ )

GBR , サイナスリフト(待機法: インプラントブリッジ )
図7:骨造成治療のイメージ図(GBR)

入れ歯 ではなく ブリッジ で 治療 する方法です。つまり、取り外しをしなくてよい治療になります。GBRはGuided Bone Regenerationの略称で、骨の再生療法になります。

図7で示しているように、中等度の歯周病までは優れた効果を発揮するのですが、重度の歯周病ではあまりいい結果を生みません。 GBR も サイナスリフト も部分的にしか治療ができません。それが故に、ブロック毎に半年ほどかけて治療していくので、口全体の大規模なケースではかなりの 時間 (1年半~4年)がかかるのと、その都度の 手術 の 痛み ・ 腫れ (2~6回)があります

重度の歯周病の方の場合、垂直方向の骨再生は難しく、経過もよくないことが知られています。人工歯根(インプラント体)自体がかなり深いポジションにいくため、歯冠歯根長比がくずれ、歯が長くなり清掃性も不良となります。つまり、実力や経験のあるベテランのインプラント歯科医師ほど「インプラント治療を断る、もしくは入れ歯をすすめる」ということは多々あります。

5. All-on-4 ザイゴマインプラント(即時法: インプラントブリッジ )

ザイゴマインプラント
図8:All-on-4 ザイゴマインプラントのイメージ図(固定式)

All-on-4 ( オールオンフォー )は上顎もしくは下顎に4本のインプラントを硬い骨にバランスよく埋入し、 インプラントブリッジ として歯と歯肉で構成された上部構造をねじ止めする方法です。

最も大きな特徴は、抜歯 が必要な患者さんでも 抜歯 したその当日に噛めるようになることです。

たった一日頑張れば、これまでの悩みから解放され、しっかり噛んで食事ができるようになる方法です。

通常の All-on-4 でも対応できないような重度の歯周病の方でも ザイゴマ インプラント であれば施術が可能となります。

また、ザイゴマ インプラント だけで All-on-4 ( オールオンフォー ) を構成するコンセプトは Extra Maxillo Zygomatic All-on-4 TM ( EZ4 : イージーフォー )と呼ばれています。これは、 重度 の 歯周病 を患っている方で、薄くて弱い 上顎骨 の方でも治療可能となる究極の All-on-4 システムです。

最後までお読みいただきありがとうございました。今回は「重度 の 歯周病 で 歯がぐらつく 噛めない 時はどうしたいいの?」をテーマに記事を書きました。歯の深刻な悩みをお持ちの方に向けて記事を書いていますが、疑問は解決しましたでしょうか? 皆様のインプラントに関する不安を少しでも軽減できる情報を提供できればと考えています。

本ブログは「双方向」であることをモットーとしています。本ブログ読者からのインプラント、All-on-4、ザイゴマインプラントに関するフィードバックやご質問に、できる限り筆者が記事を書いたり、個別返答でお悩みにお答えすることができます。
※本ブログはインプラント・ザイゴマインプラント専門のブログとなりますのでご了承ください。

著者紹介

大多和 徳人

おおたわ歯科医院

マキシロフェイシャルインプラントセンター

院長 歯学博士
専門分野

重度歯周病 / ザイゴマインプラント

学歴・職歴

  • 九州大学歯学部歯学科卒業
  • 九州大学大学院顔面口腔外科卒
  • 九州大学病院デンタルマキシロフェイシャルセンター勤務
  • 大分岡病院顎顔面外科マキシロフェイシャルユニット勤務

所属学会

  • 日本口腔外科学会所属 認定医
  • 顎顔面インプラント学会所属
  • ICOI(国際インプラント学会)所属 認定医
  • All-on-4 ザイゴマインプラント協会 理事
  • Study Group of the Edentulous Solutions 理事

専門

  • All-on-4 ザイゴマインプラント専門医
  • 九州大学総長賞受賞
    (テーマ: 3Dプリンターによる三次元骨再生)
  • 博士号取得
    (テーマ: カスタムメードチタンメッシュでの骨再生)
  • 国際特許取得
    (主題: All-on-4 のための三次元スキャンボディの開発)

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