All-on-4 の 仮歯 から 本歯 ( 上部構造 )が できるまで

All-on-4 の 仮歯 から 本歯 ( 上部構造 )が できるまで

監修:おおたわ歯科医院マキシロフェイシャルインプラントセンター

院長 歯学博士 大多和 徳人

All-on-4 ( オールオンフォー )は手術後、1日で美しい 仮歯 が入りますが、その後、 本歯 ( 上部構造 )が できるまで にどのようなステップを進んでいくのでしょうか?

All-on-4 ( オールオンフォー ) における 上部構造 とは、4本のインプラントで支える「12本分の歯と歯肉を構成されたジルコニア製のインプラントブリッジ」のことです。他に、チタンフレームやペクトンフレームのものもあります。

この記事では、All-on-4 ( オールオンフォー ) の手術後に装着する美しい 仮歯 を、約半年後に 本歯 ( 上部構造 )に変更していく手順について具体例とともに 記していきます。

尚、ここで紹介する方法はAll-on-4 プロトタイプシミュレーションTMと呼ばれる、当院マキシロフェイシャルインプラントセンター独自の手法となります。上部構造や被せ物の形状や大きさ、位置に満足されていない方は必見です。

手術後に装着される美しい仮歯はどのようにできるのでしょうか?

All-on-4 の 手術 から 仮歯 ( プロビジョナルレストレーション )ができるまで より引用

手術: All-on-4 プロビジョナルレストレーション (仮歯)を装着する

All-on-4 手術前 オールオンフォー
図1 : All-on-4 手術前の口元の写真

図1は All-on-4 ( オールオンフォー )手術前の口元の写真です。この方は、上顎に大きな義歯が入っていたため、外した状態の口元です。笑顔なのですが、なんとなく自信がないような、歯を隠そうとしているように見えます。

この方ですが、約1時間ほどのAll-on-4 ( オールオンフォー )の手術を受けていただき、仮歯 ( プロビジョナルレストレーション )を装着していただきました。

All-on-4  オールオン4 仮歯装着 プロビ
図2 : All-on-4 術後に仮歯を装着した口元の写真

図2は All-on-4 ( オールオンフォー )手術後の口元の写真です。当然、仮歯(プロビジョナルレストレーション)を装着しています。ちなみに上の歯全部が仮歯です。とても自然に見えますね。笑顔も手術前と比べると、歯を見せるように自信が芽生え始めている感じがします。

この仮歯を 本歯 ( 最終上部構造 )に置き換えていかなければなりません!

当院マキシロフェイシャルインプラントセンターでは全て、exocadというCADソフトウェアで設計していきます。この仮歯のデータも完全にコピーすることができます。でもそれだけで「完璧」といえるでしょうか?

完璧な歯とは、歯科医師が付与した機能性と形態に、患者さん自身の整容感とが合致するデザインの歯、と私たちは考えています。

仮歯を装着した患者さんから「真ん中の歯を大きくしてほしい」や「二番目の歯を少し隠れるようにしてほしい」などのリクエストは実は結構あります! 仮歯のコピーでは完璧な歯とはいえないのです。

ですので、当院マキシロフェイシャルインプラントセンターでは、本歯を製作するための、『本歯の試作』を行っています。これにより、患者さんの理想とする歯にさらに一歩近づくのです!

試作 : 仮歯のデータから本歯の試作品を設計、製作する

exocad all-on-4 オールオン4
図3 : exocad上で設計された All-on-4 インプラントフリッジ (本歯)

まずは、ある程度満足して使っていただいた All-on-4 の仮歯(プロビジョナルレストレーション)をお預かりして、三次元スキャナーで完全にコピーします。もちろん、コピーのまま製作できるのですが、あくまで仮歯なので、壊れないように歯肉を分厚くしていたりするので、よりきれいに、より歯肉も薄くなるよう設計していきます(図3)。

3dプリンター all-on-4 試作品 本歯
図4: 3Dプリンターで製作された本歯の試作品 ( All-on-4 プロトタイプ TM )

コンピューター上で設計された本歯のデザインを図4で示すように、「プロトタイプ」として試作します。これは、そのまま本歯となるジルコニアインプラントブリッジの試作品となります。

試適 : 本歯の試作品を装着し、自身で確認してもらう

All-on-4 オールオンフォー 本歯試適 試作品 プロトタイプ
図5: 本歯の試作品 ( All-on-4 プロトタイプ TM) を試適した口元の写真

図5は All-on-4 プロトタイプ TM を用いて実際に試適をした写真です。最終補綴物として入るジルコニアインプラントブリッジの試作品として3Dプリンターで製作された樹脂製のプロトタイプを装着することでシミュレーションを行います。

この方のリクエストは、

  1. 左右一番目の前歯2つをやや長めにしてほしい。

  2. 左右二番目の歯を一番目の前歯に少し隠れるようにしてほしい。

  3. 前歯から奥歯にかけて斜めに配列されているようにしてほしい。

の3点でした。実際に装着していただいて、All-on-4 プロトタイプ TMと自身のもっている整容観のズレがないことを確認していただきました!

追加リクエストとしては、「上顎最後方の歯と頬の当たりを一部弱めてほしい」と「歯のとがりをほんの少し丸めてほしい」だけでした。

製作 : 試作品データを改良して本歯のジルコニアブリッジを切削・焼成する

ようやく本歯の製作に取り掛かります。 All-on-4 プロトタイプ TM (試作品)を患者さんに装着してもらい、そのリクエストを試作品データに反映・改良をしていきます。これから、ジルコニアブリッジを削りだしていきます。削りだされたジルコニアブリッジは患者さんの歯と歯肉のシェード(色と明るさ)に合わせて焼成していきます。

ジルコニアブリッジ オールオンフォー
図6:本歯の完成品( All-on-4 ジルコニアブリッジ )の写真

図6を見てましょう。この患者さんの希望された歯のシェード(色と明るさ)はA1でした。歯肉は少し特徴的な色味です。この患者さんのお口の中は、歯肉が薄く骨の色がまだら模様になっているため、それを参照しました。歯を包む歯肉はややピンクがかっていますが、上方にいくと赤みと白さを意図的に表現していきます。このデザインは患者さん一人一人で異なります!まだら模様ではなく均一に整った歯肉にする場合もあり、これは患者さんのリクエストで変わります。

装着 : 本歯のジルコニアブリッジをセットする

All-on-4 オールオンフォー 本歯試適 完成品
図7:本歯の完成品( All-on-4 ジルコニアブリッジ ) を装着した口元の写真

そして最後です。図7ですが、本歯の完成品となります。ジルコニアだけで焼成された All-on-4 ジルコニアブリッジ です。CAD/CAMの削りだしとなりますので、デジタルにデザインされたそのものが表現されています。ジルコニアは非常に強い素材であり汚れも付着しにくいです。

  • 歯の大きさ
  • 歯の形
  • 歯の並び
  • 歯の傾き
  • 歯の位置(手前・奥・左右)
  • 歯の色
  • 歯肉の色

全てのリクエストに応えていきます!インプラントは入れているけど、歯の形が嫌とか歯の色を変えたいなど、上部構造のお悩みがある方は実は結構多いです。

他院でされたインプラントを利用して、歯だけ作り変える患者さんがとても増えています当院ではどのような相談でも受けていますのでよかったら下記の相談フォームよりご用命ください!!

最後までお読みいただきありがとうございました。今回は「All-on-4 の 仮歯 から 本歯 ( 上部構造 )が できるまで」をテーマに記事を書きました。歯の深刻な悩みをお持ちの方に向けて記事を書いていますが、疑問は解決しましたでしょうか? 皆様のインプラントに関する不安を少しでも軽減できる情報を提供できればと考えています。

本ブログは「双方向」であることをモットーとしています。本ブログ読者からのインプラント、All-on-4、ザイゴマインプラントに関するフィードバックやご質問に、できる限り筆者が記事を書いたり、個別返答でお悩みにお答えすることができます。
※本ブログはインプラント・ザイゴマインプラント専門のブログとなりますのでご了承ください。

著者紹介

大多和 徳人

おおたわ歯科医院

マキシロフェイシャルインプラントセンター

院長 歯学博士
専門分野

重度歯周病 / ザイゴマインプラント

学歴・職歴

  • 九州大学歯学部歯学科卒業
  • 九州大学大学院顔面口腔外科卒
  • 九州大学病院デンタルマキシロフェイシャルセンター勤務
  • 大分岡病院顎顔面外科マキシロフェイシャルユニット勤務

所属学会

  • 日本口腔外科学会所属 認定医
  • 顎顔面インプラント学会所属
  • ICOI(国際インプラント学会)所属 認定医
  • ザイゴマAll-on-4 研究会 理事
  • Study Group of the Edentulous Solutions 理事

専門

  • ザイゴマAll-on-4 インプラント専門医
  • 九州大学総長賞受賞
    (テーマ: 3Dプリンターによる三次元骨再生)
  • 博士号取得
    (テーマ: カスタムメードチタンメッシュでの骨再生)
  • 国際特許取得
    (主題: All-on-4 のための三次元スキャンボディの開発)

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