オールオン4手術後に注意してほしいこと
オールオン4の手術後どうなるのか分からない、どう過ごしていいのか教えてほしい、そういったお声をいただくことが多くあります。
まずオールオン4術後は、インプラントと骨がしっかり馴染むための非常に大切な時期になります。術後の回復をスムーズに進め、トラブルを防ぐために、日常生活でいくつか注意していただきたい点を項目ごとにまとめました。
お食事について

手術後、しばらくの間は、インプラントや仮歯に負担をかけないことがとても大切です。固定式の仮歯が入りますが、本歯が入るまでの間は、強く噛むことは避け、できるだけ柔らかい食べ物を選びましょう。
【特に控えていただきたい食べ物】
・揚げ物(唐揚げ、ごぼう天など)
・漬物(たくあんなど)
・硬いお肉
・硬いパン
・ナッツ類
・せんべい
・粘りのあるもの(キャラメル・チューイングキャンディ・グミ・ドライフルーツ)
・生野菜(根菜・芯の硬いもの)
【おすすめの柔らかい食べ物】
・おかゆ
・豆腐
・うどん
・味噌汁などのスープ類
・ヨーグルト
「舌でつぶせる程度の柔らかさ」のものを中心にしてください。
弾力が強いもの、粘着性のあるものは、仮歯に負担がかかる場合がありますので注意しましょう。
痛み・腫れ・内出血について

手術後2日間(48時間)は腫れを抑えるために必ず冷やすようにしてください。48時間を過ぎましたら、冷却は行わず、患部を刺激しないよう触らずにお過ごしください。
術後は腫れや内出血がみられることがありますが、これは治癒経過の一環です。内出血は紫色から黄色へと変化し、徐々に首元へ移動しながら自然に消失していきますので、過度に心配なさる必要はございません。
術後2~3日は激しい運動や入浴を避け、シャワー浴のみにしてください。体を温めすぎると、血行が促進し腫れや出血が強くなることがあります。
アルコールは、傷口の治りを遅らせるだけでなく、薬との飲み合わせも悪いため、少なくとも数日間は我慢しましょう。
また、術後の感染予防のために抗生剤をお渡ししています。抗生剤は途中で飲むのをやめると、抗生剤に対する耐性菌ができてしまい、今後同じ種類の薬を使いたいときに効かなくなる可能性があります。処方されている抗生剤は必ず最後まで飲み切るようにしましょう。
痛み止めとして当院ではロキソプロフェンまたはカロナールを処方しています。ロキソプロフェンの過剰な摂取は、胃が荒れる原因になります。胃への負担を減らすために空腹時や短い時間での連続使用を避け、用法用量を守って内服するようにしましょう。また、カロナールについても5~6時間あけて内服するようにお願いします。
お口の中の管理について

仮歯の周囲に食べ物が詰まってしまった時、舌を使って一生懸命に汚れを掻き出そうとすると、無意識のうちに顎の筋肉へ不自然な力が加わり、顎関節症を引き起こす原因となることがあります。もし食べかすが気になるようでしたら、術後にお渡ししている先の細い歯ブラシを使い、優しくなでるように掻き出す程度にとどめてください。
また、縫合した部分も非常にデリケートです。舌先で縫い目や糸を舐め続けてしまうと、縫合糸が溶けてしまったり、お口の中の細菌が傷口に入り込んで感染を引き起こしたりするリスクが高まります。気になっても必要以上に触れないよう、静かに見守ってあげることが早期回復への近道です。
うがいについても、少しだけ注意が必要です。手術当日からうがいをしていただけますが、必ず処方されたうがい薬を使い、指示された方法と回数を守るようにしてください。このとき、何度も頻繁に行ったり、勢いよくお口をゆすいだりすることは避けてください。強くゆすぐ行為は治癒を遅らせるだけでなく、上顎の手術をされた方の場合は鼻から水が漏れる原因にも繋がってしまいます。
特に大切にしていただきたいのが、傷口にできる「血餅(けっぺい)」という血の塊です。これは傷口を守る「かさぶた」の役割を果たしており、赤黒いものもあれば、口内炎のように白く見えることもあります。うがいをしすぎるとこの大切な蓋が剥がれ落ちてしまい、出血しやすくなったり、激しい痛みを引き起こしたりします。見た目が気になるかもしれませんが、治すために一生懸命働いている組織ですので、そっとしておいてあげてください。
最後に、毎日の歯磨きについてですが、仮歯の部分のみを通常の歯磨きと同様に優しく行っていただいて大丈夫です。ただし、ウォーターピックなどのジェット式洗浄器は、その強い水圧が患部にとって大きな刺激となってしまいますので、使用をお控えください。
その他

図4:術後管理
術後3週間は、ストローを使った飲水はお控えください。吸う動作によって口腔内に圧がかかり、治癒の妨げとなる場合があります。あわせて、鼻をかむ行為や耳抜きは控えていただくようお願いいたします。
喫煙を行うと、血行が悪くなりインプラントと骨の定着が弱まる可能性もございます。また、副鼻腔へ煙が届きやすくなるため副鼻腔炎などの症状が発症する可能性もございますので禁煙を継続するようにしましょう。
まとめ
オールオン4の治療は、手術そのものだけではなく、術後の過ごし方が治療結果を大きく左右します。ご不安なことや気になる症状がございましたら、自己判断せず、遠慮なくご相談ください。患者様が安心して回復期を過ごし、長く快適にお使いいただけるよう、私たちが責任をもってサポートしてまいります。
最後までお読みいただきありがとうございました。今回は「オールオン4手術後に注意してほしいこと」をテーマに記事を書きました。歯の深刻な悩みをお持ちの方に向けて記事を書いていますが、疑問は解決しましたでしょうか? 皆様のインプラントに関する不安を少しでも軽減できる情報を提供できればと考えています。
本ブログは「双方向」であることをモットーとしています。本ブログ読者からのインプラント、All-on-4、ザイゴマインプラントに関するフィードバックやご質問に、できる限り筆者が記事を書いたり、個別返答でお悩みにお答えすることができます。
※本ブログはインプラント・ザイゴマインプラント専門のブログとなりますのでご了承ください。
著者紹介
大多和 徳人
おおたわ歯科医院
オールオン4 ザイゴマクリニック
院長 歯学博士
専門分野
重度歯周病 / ザイゴマインプラント
学歴・職歴
- 九州大学歯学部歯学科卒業
- 九州大学大学院顔面口腔外科卒
- 九州大学病院デンタルマキシロフェイシャルセンター勤務
- 大分岡病院顎顔面外科マキシロフェイシャルユニット勤務
- ALLON4 ZYGOMA CLINIC開設
所属学会
- 日本口腔外科学会所属 認定医
- 顎顔面インプラント学会所属
- ICOI(国際インプラント学会)所属 認定医
- All-on-4 ザイゴマインプラント協会 理事
- Study Group of the Edentulous Solutions 理事
- ZAGA CENTERS所属 認定専門医
専門
- オールオンフォーザイゴマインプラント
- 九州大学総長賞受賞
(テーマ: 3Dプリンターによる三次元骨再生) - 博士号取得
(テーマ: カスタムメードチタンメッシュでの骨再生) - 国際特許取得
(主題: All-on-4 のための三次元スキャンボディの開発)
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