インプラント を 断られた とは?

インプラント を 断られた とは?

監修:おおたわ歯科医院マキシロフェイシャルインプラントセンター

院長 歯学博士 大多和 徳人

歯医者さんで、歯がなくなってしまった部位にインプラントができるかを相談をしたが、 インプラント を 断られた というような経験がある方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。

一般歯科を専門とする歯科医院もあれば、インプラント治療を専門とする歯科医院もあると思います。しかし、どちらでも「 インプラント を 断られた 」というようなことはあります。

この記事では、「 インプラント を 断られた 」という状況がどのような場合であるかについて、歯科医師の立場から記してみたいと思います。

インプラントに必要な骨が足りない

インプラントは顎骨に埋入し人工歯冠を装着する。その顎骨はインプラント体の周囲を最低1mm以上覆わなければならない。

通常の インプラント 治療
図1;インプラント治療には十分な骨が必要です

インプラント治療を成功に導くためには、絶対に骨が必要です。もし、骨が不足しているのであれば、インプラントはできないため治療を断られることもあります。

ex. 1 上顎 (うわあご) の骨が足りない

上顎 骨が足りない
図2:上顎の骨が足りない場合

それでは、図2に上顎 (うわあご) の骨が足りない一例を示します。赤線で囲まれた部位は上顎骨になります。上顎骨の上は空洞となります。赤三角の部位に歯が2本ないです。ここにインプラントをする場合、骨の厚みが足りないのがわかるでしょうか。インプラント体の長さは10mmくらいですが、上顎骨に埋入されたとすると、上顎骨を貫通してしまいます。上顎 (うわあご)の骨が足りない場合はこのようなケースが多いです。

ex. 2 下顎 (したあご) の骨が足りない

下顎 骨が足りない
図3:下顎の骨が足りない場合

下顎 (したあご) に骨が足りない場合はどうでしょうか。図3を見てみましょう。赤線で囲まれた部位は下顎骨になります。緑色の太線は下顎管とその中を走行する下歯槽神経です。この神経は、下唇やオトガイ部の知覚(触られたと感じる感覚)を司る神経です。図3は重度歯周病で骨が溶けてしまっており、下歯槽神経のポジションが相対的に上方に位置しています。重度歯周病の歯を抜歯した後にインプラントをする場合、インプラントが下歯槽神経と近接すると下唇がしびれるというような麻痺症状が出てしまいます。下顎 (したあご)の骨が足りない場合はこのようなケースが多いです。

持病や基礎疾患がある

持病 基礎疾患 
図4:持病や基礎疾患があると歯科治療は困難に

患者さんの中にはその影響の大小はあれ持病や基礎疾患を有している方は多数いらっしゃいます。歯科治療やインプラント治療に関係する疾患はどのようなものがあるのでしょうか。特に、インプラント治療が断られる場合、特殊な持病や基礎疾患があります。

ex. 1 骨粗鬆症 ( 骨粗しょう症 )

骨粗鬆症
図5:骨粗しょう症の方は特殊な薬を内服している

骨粗鬆症は全身の骨密度が低下し、骨がスカスカとなり骨折をしやすくなる疾患です。そのため骨密度を上昇させる薬を内服して治療されている患者さんは多いです。その中でも、骨吸収を抑制する薬を内服している方は要注意です。代表的な薬はビスホスホネート製剤 ( BP製剤 )があります。骨を固く強くする機能がある反面、歯やインプラントが関係する顎骨や歯槽骨では壊死を引き起こしてしまう場合があることが知られています。ビスホスホネート製剤関連顎骨壊死 ( BRONJ )の制御は非常に難しいため、インプラント治療を断られることがあります。

ex. 2 糖尿病

糖尿病
図6:糖尿病は重度だと注意が必要です

糖尿病は血糖値が高い値を示し、数々の合併症を引き起こすことが知られています。神経障害、目の障害、腎臓の障害が代表例ですが、歯科の場合は治癒の遷延が注意すべき合併症となります。インプラント治療は、歯肉を開き、顎骨にインプラントを埋入し、傷を閉じます。創傷治癒がすすみ、顎骨とインプラントの化学的結合が完成することで、インプラントが機能し使用することができます。重度の糖尿病の場合、創傷治癒の遷延、歯肉の閉じが悪い、創部哆開 (そうぶしかい)、インプラントの結合不良など予後が予想されるのでインプラント治療を断られることがあります。

歯科医師と患者の信頼関係

患者との信頼関係
図7:信頼関係こそが一番大事

歯科治療や通常のインプラント治療では、患者さんは覚醒下 (意識がある状態)で行われることが多いです。つまり患者さんは、口を開けた状態で術者のささいな動きもわかるし、麻酔の効きが悪い場合は痛いということもわかります。患者さんも歯科医師を信頼して治療をお願いしますが、歯科医師も自身の治療を受けてくださる患者さんのことを信頼しています。特にインプラント治療は、健康保険の効かない自費治療となり高額になります。したがって、患者さんが歯科医師を信頼できないならば治療が成立しないのと同様に、歯科医師もこの患者さんとインプラント治療を成功に導けないかもしれないと感じた場合は、インプラント治療を断られたということになる場合があるかもしれません。

いかがでしたか?「歯科医師にインプラント治療を断られた」時は、どのような場合があるか把握できたでしょうか。当院では、他院でインプラントを断られた患者さんが沢山いらっしゃっています。どのような難症例でも受け入れています。無料の All-on-4 ( オールオンフォー )治療相談をしていますのでお問い合わせください。

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最後までお読みいただきありがとうございました。今回は「インプラント を 断られた とは?」をテーマに記事を書きました。歯の深刻な悩みをお持ちの方に向けて記事を書いていますが、疑問は解決しましたでしょうか? 皆様のインプラントに関する不安を少しでも軽減できる情報を提供できればと考えています。

本ブログは「双方向」であることをモットーとしています。本ブログ読者からのインプラント、All-on-4、ザイゴマインプラントに関するフィードバックやご質問に、できる限り筆者が記事を書いたり、個別返答でお悩みにお答えすることができます。
※本ブログはインプラント・ザイゴマインプラント専門のブログとなりますのでご了承ください。

著者紹介

大多和 徳人

おおたわ歯科医院

マキシロフェイシャルインプラントセンター

院長 歯学博士
専門分野

重度歯周病 / ザイゴマインプラント

学歴・職歴

  • 九州大学歯学部歯学科卒業
  • 九州大学大学院顔面口腔外科卒
  • 九州大学病院デンタルマキシロフェイシャルセンター勤務
  • 大分岡病院顎顔面外科マキシロフェイシャルユニット勤務

所属学会

  • 日本口腔外科学会所属 認定医
  • 顎顔面インプラント学会所属
  • ICOI(国際インプラント学会)所属 認定医
  • All-on-4 ザイゴマインプラント協会 理事
  • Study Group of the Edentulous Solutions 理事

専門

  • All-on-4 ザイゴマインプラント専門医
  • 九州大学総長賞受賞
    (テーマ: 3Dプリンターによる三次元骨再生)
  • 博士号取得
    (テーマ: カスタムメードチタンメッシュでの骨再生)
  • 国際特許取得
    (主題: All-on-4 のための三次元スキャンボディの開発)

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