ザイゴマインプラント 手術って痛いの?実際の流れと痛みのレベル

ザイゴマインプラント は頬骨に埋入する特殊なインプラントです。
従来のインプラントに比べて症例数はまだ多くありませんが、上あごの骨が極端にやせている方でも対応できる画期的な治療法として、世界的にも注目が集まっています。
これまで「骨が足りない」と言われてインプラントをあきらめていた方でも、ザイゴマインプラントなら治療の可能性があります。
とはいえ、「頬骨に入れるなんて…痛そう」「手術ってこわい」という不安を感じている方は少なくありません。
そこで、この記事では、手術の流れや痛みの感じ方、術後のケアについてわかりやすくご説明します。
「興味はあるけど、痛みが心配で踏み出せない…」という方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
オールオン4ザイゴマインプラント手術の現在の一般的な治療の流れ

治療の流れに関しましては、過去記事 All-on-4 ( オールオン4 ) 治療の流れ 【実例】にも記載しておりますが、現在、マイナーチェンジしている点も多々ありますので、そういった部分も含めて下記に記載します。
・診断と治療計画
まずは患者様のお悩みを丁寧にお聞きし、診断と治療計画を立てます。
ご来院いただくか、リモート診療(画像送付)での診断も可能です。
診断結果によってザイゴマインプラントが必要と判断された場合は、All-on-4を含めた治療内容やお見積りをご説明します。
・術前検査
基本的には上記の話がまとまった場合に行っていきます。ここではお顔やお口のお写真を撮ったり、歯型をとったり、御身体の全身状態を確認したり、静脈内鎮静法に関する問診や麻酔の説明を行っていきます。全身状態に関して、確認事項等がある場合は、かかりつけの病院と連携が必要となるケースがあります。
また遠方の方ですと、御身体の状態が不明瞭である為、かかりつけの病院とも連携を行い、御身体の状態等を確認の上、前日や手術当日の朝一にご来院後、当院でのレントゲン画像やCT画像、型取りやお顔やお口のお写真の資料取りを行っていきます。
・当日の手術前準備(当日の手術説明・鎮静麻酔・部分麻酔)
手術当日はスタッフからの手術の注意事項や当日の流れ等の説明、その後、オペ着に着換えて頂いて、オペ室へ入室。麻酔の注意事項を聞いて、生体管理モニターや鼻カニューレを装着して、点滴をとって静脈内鎮静法を行っていきます。部分麻酔はうたた寝したような状態で行っていきます。
・インプラント埋入手術(実際の時間/所用時間)
最初に抜歯を行っていき、感染したり余剰な部分の骨を削り、インプラントの埋入操作に移行します。その際、ネジ穴の設計が必要となりますので、ドリリングという操作を行い、ネジ穴を作成後、インプラントを埋入していきます。ザイゴマインプラントもノーマルインプラントと殆ど同じ工程で埋入していきます。
4本埋入したところで、お口の中で仮歯を作成していきます。この際、開けて下さい閉じてくださいという歯医者さんで聞きなじみのあるフレーズで咬み合わせの作成をしていきます。咬み合わせがとれた所で糸で縫っていきます。
このような一連の操作ですが、片顎だけですと1~2時間、両顎ですと2~3時間程度の所要時間で手術自体は終了します。基本的には朝一にご来院頂きますので、お昼には手術が終わるイメージです。
術後はリカバリールームでお休み頂いて、鎮静麻酔の麻酔薬が抜けてきてスッキリした状態で改めて仮歯の調整をしていきます。またレントゲン撮影やお口の中の写真も撮影していきます。この時、万一お痛みがあれば部分麻酔等を早い段階で行います。全ての工程が終わりましたら、アンケート等をおとりした後にお帰り頂くという流れになります。
手術中の痛みはあるの?

手術中の痛みの感じ方に関しましては、個人差はありますが、
あまり意識されなくてもいいかと思います。
オールオン4ザイゴマ手術を行う方には余程な事情がない限り、
静脈内鎮静法は基本的には行っております。
実は静脈内鎮静法自体には痛みを抑える効果というものはあまりありません。
静脈内鎮静法で痛みを抑える効果を出すためには、一般開業医では難しい特殊な対応が必要となります。
痛みを抑える効果に関しましては、一般治療と同様に部分麻酔が最も強い為、手術時は部分麻酔をしっかりと行っていきます。
部分麻酔が痛いんじゃないの?と思われるかもしれませんが、うたた寝している為、殆ど全ての方が部分麻酔の痛みの訴えがなく、寝ている間に手術が終わったと仰います。
手術直後は痛いの? 痛みのピークと対処法とは?

手術後は部分麻酔が効いていますので、個人差はありますが、あまり痛がられる方はおりません。それよりも部分麻酔による痺れがある為、そちらを気にされる方は時々いらっしゃいます。
部分麻酔の効果にも個人差がありますので、術直後に多少痛みを感じられる方でも出来るだけ早い段階で、部分麻酔を追加する処置を行います。
術直後は基本的に点滴が残った状態となりますので、何かの理由で部分麻酔が出来ない場合は、そちらの点滴から痛み止めをお流しする事もあります。 点滴がない場合は、痛み止めのお薬を飲んで頂く事もあります。
手術当日はどうしても痛みを感じやすい事が多いです、特に部分麻酔がきれていくると痛みを感じやすくなります。これはある意味、当日の痛みのピークと言えるかもしれません。しかし、バトンをつなぐように、ここで痛み止めを飲む事である程度落ち着いてきます。当院では出来るだけ患者さんが痛みを感じにくいように配慮しております。
手術翌日は痛くないの?

当院では術後、患者さんより率直なご意見を頂きます。
そのお話によると、多くの患者さんで痛みは痛み止めを飲めば落ち着くレベルというご意見が殆どでした。
手術翌日というと凄く痛みが強いイメージはありますが、意外にも痛みは落ち着いてきます。当院では歯茎や骨に感染の起きている部分も手術中に除去します。実はこの事がかえって痛みの発生を抑えているのではないかと考えております。
術前から痛みが強かったという方も術後は落ち着いたというお話を聞きます。
オールオン4ザイゴマインプラント手術は、新しい歯を獲得するだけではなく、今まであった病巣も治療可能な手術という事が言えるかもしれません。
まとめ

このように、ザイゴマインプラントは痛いというイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、こうしてみると意外にも処置内容の割には痛みが少ない治療と言えるのかもしれません。
ザイゴマインプラントというだけで抵抗のあった方も今回の記事に目を通して頂く事で、まずはお話だけでもと思って頂ければ幸いです。
実際のオールオン4ザイゴマインプラントを知って頂く事で、安心を提供できると考えております。
引き続き、皆様の何かのお手伝いが出来るよう今後も情報発信していきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。今回は「ザイゴマインプラント 手術って痛いの?実際の流れと痛みのレベル」をテーマに記事を書きました。歯の深刻な悩みをお持ちの方に向けて記事を書いていますが、疑問は解決しましたでしょうか? 皆様のインプラントに関する不安を少しでも軽減できる情報を提供できればと考えています。
本ブログは「双方向」であることをモットーとしています。本ブログ読者からのインプラント、All-on-4、ザイゴマインプラントに関するフィードバックやご質問に、できる限り筆者が記事を書いたり、個別返答でお悩みにお答えすることができます。
※本ブログはインプラント・ザイゴマインプラント専門のブログとなりますのでご了承ください。
著者紹介

大多和 徳人
おおたわ歯科医院
オールオン4 ザイゴマクリニック
院長 歯学博士
専門分野
重度歯周病 / ザイゴマインプラント
学歴・職歴
- 九州大学歯学部歯学科卒業
- 九州大学大学院顔面口腔外科卒
- 九州大学病院デンタルマキシロフェイシャルセンター勤務
- 大分岡病院顎顔面外科マキシロフェイシャルユニット勤務
- ALLON4 ZYGOMA CLINIC開設
所属学会
- 日本口腔外科学会所属 認定医
- 顎顔面インプラント学会所属
- ICOI(国際インプラント学会)所属 認定医
- All-on-4 ザイゴマインプラント協会 理事
- Study Group of the Edentulous Solutions 理事
- ZAGA CENTERS所属 認定専門医
専門
- オールオンフォーザイゴマインプラント
- 九州大学総長賞受賞
(テーマ: 3Dプリンターによる三次元骨再生) - 博士号取得
(テーマ: カスタムメードチタンメッシュでの骨再生) - 国際特許取得
(主題: All-on-4 のための三次元スキャンボディの開発)
※詳しいご相談はこちらのフォームから承っております。