オールオン4 と持病の関係性 ― よくある質問Q&A

オールオン4 と持病の関係性 ― よくある質問Q&A

監修:オールオン4 ザイゴマクリニック

院長 歯学博士 大多和 徳人

オールオン4 (All-on-4)は、歯をすべて失ってしまった方や、重度の歯周病で多くの歯を抜歯しなければならない方にとって、短期間で「しっかり噛める生活」を取り戻せる治療法です。

しかし、患者さんの中には「糖尿病があるけれど大丈夫?」「心臓の病気があると難しいのでは?」「骨粗鬆症の薬を飲んでいるけど問題ない?」といったご不安を抱かれる方も少なくありません。

実際、オールオン4を含むインプラント治療は、持病をお持ちの方でも安全に受けられるケースが多いのですが、病気の種類やコントロール状態によっては注意が必要です。

ザイゴマインプラント をお考えの方へ。術者としてお伝えしたい事にも上記の内容をおおまかに記載しておりますが、より詳細で分かりやすい内容のものの必要性を感じておりました。

今回は、そういった内容も含めて、よくいただく質問をQ&A形式でまとめ、持病とオールオン4の関係について詳しくご説明します。


Q&A

Q1. 糖尿病があってもオールオン4はできますか?

図1:糖尿病

A. はい。糖尿病がある方でも、血糖コントロールが良好であれば手術が可能なケースが多いです。
血糖値が高いままの状態で手術を受けると、以下のようなリスクが高まります。

・傷の治りが遅くなる(創傷治癒遅延)

・感染を起こしやすい

・インプラントの生着が不安定になる可能性

・骨が脆弱化しておりインプラント埋入が困難になる可能性

・歯肉が感染しやすく手術中の痛みが強くなる可能性

・腎臓等の臓器が弱っている事があり、使用可能な薬剤が制限されてしまう可能性

・術中のストレス等で高血糖に陥りやすく、術後に臓器障害を発症してしまう可能性

特に指標となるのは HbA1c(ヘモグロビンA1c) です。一般的に7.0%前後までコントロールできていれば、手術を安全に進められることが多いとされています。

そのため、手術を検討する際には必ず内科の主治医と連携し、現在の血糖コントロール状態を確認したうえで治療を行います。 また朝手術を行う場合、当日朝が絶食となります。場合によっては常用薬を使用するかの検討を行います。


Q2. 高血圧や心臓病があるのですが、手術は受けられますか?

図2:循環器障害

A. 高血圧や心疾患をお持ちの方でも、薬でコントロールができていれば多くの場合は治療可能です。
ただし注意点として、以下のようなリスクがあります。

・手術中手術後の血圧上昇による出血リスク

・不整脈や心臓への負担

・鎮静薬との相互作用

当院では、静脈内鎮静法を併用してリラックスした状態で手術を受けていただけますが、この際も循環動態の安定が非常に重要です。心臓や血圧に持病がある場合は、循環器科の主治医と連携し、安全を第一に手術を進めます。


Q3. 骨粗鬆症の薬を飲んでいますが大丈夫ですか?

図3:骨粗鬆症

A. 骨粗鬆症そのものは、オールオン4治療の大きな妨げにはなりません。
ただし問題となるのは「使用しているお薬」です。特に以下のお薬には注意が必要です。

ビスフォスフォネート製剤(例:アレンドロネート、リセドロネートなど)

・デノスマブ(プラリア®など)

これらは骨の代謝に関わる薬で、まれに「顎骨壊死(あごの骨が壊れてしまう病気)」を起こすリスクがあります。顎骨壊死が発症すると治療が難しくなるため、服薬歴や現在の使用状況を必ず歯科医に伝えることが重要です。

場合によっては主治医と相談し、服薬の一時休止(休薬)を検討することもあります。これも医科との連携が不可欠です。


Q4. うつ病や不安障害の治療を受けていますが、問題はありますか?

図4:うつ病

A. 精神疾患の治療を受けている方も、オールオン4治療は可能です。
ただし、以下の点に注意が必要です。

抗うつ薬や抗不安薬には、麻酔薬や鎮静薬と相互作用を起こすものがある

精神的な緊張やストレスが手術中・術後の体調に影響することがある

そのため、現在服用中のお薬の名前や用量を正確に申告いただくことがとても大切です。
当院では、必要に応じて精神科や心療内科の主治医と連携し、安全に治療を進められるように配慮しています。


Q5. 持病があっても手術を安全に受けるためにはどうすればいいですか?

図5:持病

A. 一番大切なのは「情報を正確に共有すること」です。

現在治療中の病気

服用している薬の種類と量

既往歴(過去の病気や手術の経験)

これらを詳しくお伝えいただくことで、歯科医と医科の主治医が連携し、最適で安全な治療計画を立てられます。

しかも日本では、ザイゴマインプラントの埋入手技を積極的に行うことができる歯科医院は多くありません。

また、術前には血液検査や心電図などの検査を行い、全身状態をしっかり把握してから手術を進めます。持病があるからといって諦める必要はありません。むしろ、医科と歯科が協力することで、安心して治療を受けられる環境が整います。


まとめ

オールオン4は、歯を失った方が「再び噛める喜び」を取り戻せる画期的な治療法です。

糖尿病・高血圧・心疾患・骨粗鬆症・精神疾患など持病をお持ちの方でも、状態が安定していれば治療できるケースは多くあります。

大切なのは「持病を隠さず伝えること」と「かかりつけ医との連携」です。

不安がある場合は、まずはお気軽にご相談ください。私たちが一緒に、安全で安心できる治療の道筋を考えます。

最後までお読みいただきありがとうございました。今回は「オールオン4 と持病の関係性 ― よくある質問Q&A」をテーマに記事を書きました。歯の深刻な悩みをお持ちの方に向けて記事を書いていますが、疑問は解決しましたでしょうか? 皆様のインプラントに関する不安を少しでも軽減できる情報を提供できればと考えています。

本ブログは「双方向」であることをモットーとしています。本ブログ読者からのインプラント、All-on-4、ザイゴマインプラントに関するフィードバックやご質問に、できる限り筆者が記事を書いたり、個別返答でお悩みにお答えすることができます。
※本ブログはインプラント・ザイゴマインプラント専門のブログとなりますのでご了承ください。

著者紹介

大多和 徳人

おおたわ歯科医院

オールオン4 ザイゴマクリニック

院長 歯学博士
専門分野

重度歯周病 / ザイゴマインプラント

学歴・職歴

  • 九州大学歯学部歯学科卒業
  • 九州大学大学院顔面口腔外科卒
  • 九州大学病院デンタルマキシロフェイシャルセンター勤務
  • 大分岡病院顎顔面外科マキシロフェイシャルユニット勤務
  • ALLON4 ZYGOMA CLINIC開設

所属学会

  • 日本口腔外科学会所属 認定医
  • 顎顔面インプラント学会所属
  • ICOI(国際インプラント学会)所属 認定医
  • All-on-4 ザイゴマインプラント協会 理事
  • Study Group of the Edentulous Solutions 理事
  • ZAGA CENTERS所属 認定専門医

専門

  • オールオンフォーザイゴマインプラント
  • 九州大学総長賞受賞
    (テーマ: 3Dプリンターによる三次元骨再生)
  • 博士号取得
    (テーマ: カスタムメードチタンメッシュでの骨再生)
  • 国際特許取得
    (主題: All-on-4 のための三次元スキャンボディの開発)

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