歯周病 と アルツハイマー の関連性

歯周病 と アルツハイマー の関連性

監修:オールオン4 ザイゴマクリニック

院長 歯学博士 大多和 徳人

歯周病 は アルツハイマー 病だけでなく、様々な疾患の増悪因子であることは知られています。

歯周病菌の刺激により動脈硬化が誘発され、脳梗塞のリスクが高まることもあります。歯周病菌の内毒素により糖尿病の症状が悪化することもあります。

この記事では、最近報告された文献を元に、歯周病とアルツハイマー病や痴呆症との関連性について記していきます。

近年に報告された文献をPubMedで渉猟する

歯周病とアルツハイマー病について渉猟
図1:PubMedはMEDLINEへの窓口

医師・歯科医師・薬剤師の多くの方がまず参照するのは、PubMed (https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/)だと思います。MEDLINE(メドライン)と呼ばれる、医学を中心とした生命科学の文献情報の大量のオンラインデータベースがあります。PubMedはその大量のオンラインデータベースから、意中の文献や論文を渉猟するための検索サイトになります。

歯周病 と アルツハイマー 病についてのシステマティックレビュー

歯周病とアルツハイマー病の論文
図2:Journal of Clinical Medicine (IF: 3.303 <2019>)から抜粋

以前から「歯周病とアルツハイマー病や脳神経変性疾患との関連性があるのでは?」という仮説はありました。最近、本邦でも歯周病とも関わりのある酵素とアルツハイマー病に関連性があるという報告をされた先生もおり、にわかに注目を集めています。

ですので、今回は、より影響力が高いとされる著名な雑誌から「歯周病とアルツハイマー病について」のシステマティックレビュー(数多くの文献から同一テーマのデータを整理し分析を行った文献)を参照してみました。

歯周病とアルツハイマー病には関連性がある!

歯周病とアルツハイマーの関連性
図3:このシステマティックレビューの結論より一部抜粋

この文献は、過去30年間に報告された、「歯周病」や「アルツハイマー病」などの疾患の因果関係を示唆する1000件以上のデータを統計的に調査しています。「アルツハイマー病」自体の病態生理学的メカニズムの解明はまだ十分ではないですが、この文献によると、歯周病菌による直接的ないし間接的な影響による炎症反応が中枢神経系の炎症反応に影響を与え、結果的にアルツハイマー病の発症を促進しているのではないか、ということのようです。

したがって、歯周病とアルツハイマー病には関連性があるということは、科学的な事実のようです。

All-on-4 は歯周病にならない?

オールオンフォー
図4:オールオンフォーは細菌の侵入に強い

歯周病とは、「歯」の「周囲」の「病気」です。これは、歯周病菌が原因となります。歯周病菌は歯に纏わりついています。そして歯の周囲の骨や歯茎まで歯周病菌による炎症がみられます。

オールオン4とは、重度歯周病の患者さんの歯を全部抜歯して、歯の周囲の骨を整え、インプラントを4本だけ埋入します。つまり、その時点で、歯周病にはならないのです。

しかし、インプラントでも口腔ケアが上手くいっていない場合は、インプラント周囲に細菌の侵入があることがあります。つまり、「インプラント周囲炎」になる可能性は残ります。このインプラント周囲炎と歯周病(歯肉炎と歯周炎)は病態は似ていても、それぞれの菌の出現頻度は異なるのです。

オールオン4は、通常のインプラントより設置されるポジションが深いです。また、マルチユニットアバットメントを用いるため、よりインプラントは口腔内細菌から保護されるので「インプラント周囲炎になりにくい」です。

4本のザイゴマインプラント:歯周病からの解放

ザイゴマインプラント
図5:ザイゴマインプラント4本は歯周病から解放される

それでは、ザイゴマインプラントだけでオールオンフォーを完成させるとどうなるのでしょうか。これは、Extra Maxillo Zygomatic All-on-4 TM ( EZ4 : イージーフォー )という術式になります。

Extra Maxillo Zygomatic All-on-4 TMであれば、インプラントのポジションは、通常のオールオンフォーよりさらに深いポジションに設置されるため、インプラント周囲炎にもなりません。したがって、口腔内は非常に清潔な状態となります。

まとめ:清潔な口腔環境はアルツハイマーの予防に

重度の歯周病の場合、歯が揺れる、食事の時に噛むと痛い、疲れると歯茎がはれる、入れ歯が動いて痛い。そのようなお悩みを抱えてらっしゃる方が多いです。しかし、あまり知られていないのは、

「アルツハイマー病」や「パーキンソン病」などの疾患と因果関係があることです。

オールオン4やザイゴマインプラントは、固定式の歯が入る、食事ができるようになる、口臭も少なくなります。それだけでなく、アルツハイマー病に代表されるような「脳神経変性疾患」の因子も減らすことができるのです。

最後までお読みいただきありがとうございました。今回は「歯周病 と アルツハイマー の関連性」をテーマに記事を書きました。歯の深刻な悩みをお持ちの方に向けて記事を書いていますが、疑問は解決しましたでしょうか? 皆様のインプラントに関する不安を少しでも軽減できる情報を提供できればと考えています。

本ブログは「双方向」であることをモットーとしています。本ブログ読者からのインプラント、All-on-4、ザイゴマインプラントに関するフィードバックやご質問に、できる限り筆者が記事を書いたり、個別返答でお悩みにお答えすることができます。
※本ブログはインプラント・ザイゴマインプラント専門のブログとなりますのでご了承ください。

著者紹介

大多和 徳人

おおたわ歯科医院

オールオン4 ザイゴマクリニック

院長 歯学博士
専門分野

重度歯周病 / ザイゴマインプラント

学歴・職歴

  • 九州大学歯学部歯学科卒業
  • 九州大学大学院顔面口腔外科卒
  • 九州大学病院デンタルマキシロフェイシャルセンター勤務
  • 大分岡病院顎顔面外科マキシロフェイシャルユニット勤務
  • All-on-4 ザイゴマクリニック開設

所属学会

  • 日本口腔外科学会所属 認定医
  • 顎顔面インプラント学会所属
  • ICOI(国際インプラント学会)所属 認定医
  • All-on-4 ザイゴマインプラント協会 理事
  • Study Group of the Edentulous Solutions 理事

専門

  • All-on-4 ザイゴマインプラント専門医
  • 九州大学総長賞受賞
    (テーマ: 3Dプリンターによる三次元骨再生)
  • 博士号取得
    (テーマ: カスタムメードチタンメッシュでの骨再生)
  • 国際特許取得
    (主題: All-on-4 のための三次元スキャンボディの開発)

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