Case 12

Case 12

Upper Extra Maxillo Zygomatic All-on-4 ™
Lower All-on-4
Age 60代
Gender 女性
Chronic Illness 高血圧

 

症例詳細の紹介


 

背景

福岡市内から来院。「上あごの奥歯の根っこが完全に出てきたこと」を主訴に来院した。これまで、上下とも部分入れ歯を使用していたが、かかりつけの歯科医院にいくたび、抜歯と入れ歯の増歯が行われ、治療方針に不満を持っていた。上顎前歯はブリッジで強固に固定することで、なんとか激しく動揺するのを抑えてはいるものの、上顎臼歯は歯根が完全の露出しており、著しい顎骨の吸収が認められた。下顎は両側にまたがる部分入れ歯をしていたが、噛み合わせが完全にずれており、動揺する歯を多数抱えていた。上下ともオールオン4にして、噛み合わせだけでなく、左右対称で審美的な陶器の歯にしたいという「強い希望」もあり、上下オールオンフォーで施術することになった。

インプラント詳細

上顎の歯を抜歯後に、上顎骨の形状を整え、15, 12, 22, 25の位置にそれぞれザイゴマインプラントを60度傾斜埋入。その後、マルチユニットアバットメントで角度補正を行い、プロビジョナルレストレーション(審美的な仮歯)を装着した。下顎についても同様に、抜歯後、下顎骨の形状を整え、35, 32, 42, 45 の位置にオールオンフォーインプラントを埋入し、前方2本は垂直埋入。後方2本は17度傾斜埋入した。35のポジションについては十分な初期固定を得ることが難しく、より長いインプラントにより先端を下顎骨内側皮質骨にバイコルチカル ( bicortical )に留め、十分な荷重を得た。仮歯のポジションについては、上顎については抜歯前の歯と同じような唇の張り(リップサポート)にしてほしいというリクエストがあった。逆に下顎の位置に関しては、手術前より、正常範囲内で前方で設計した。

 

上部構造詳細 

上顎はHTジルコニアで構成された、フルジルコニアブリッジでファイナルレストレーションとした。焼成されたジルコニアはステインテクニックで着色した。シェードカラーはA2。ファイナルレストレーションのアクセスホールもいい位置にきたため、できるだけ患者の好みの歯となるよう最終補綴物のプロトタイプ製作に回数を重ねた。結果、審美性だけでなく、バランスよく噛める・しっかり発音できるという機能性も向上することができた。


著者紹介

大多和 徳人

おおたわ歯科医院

オールオン4 ザイゴマクリニック

院長 歯学博士
専門分野

重度歯周病 / ザイゴマインプラント

学歴・職歴

  • 九州大学歯学部歯学科卒業
  • 九州大学大学院顔面口腔外科卒
  • 九州大学病院デンタルマキシロフェイシャルセンター勤務
  • 大分岡病院顎顔面外科マキシロフェイシャルユニット勤務
  • All-on-4 ザイゴマクリニック開設

所属学会

  • 日本口腔外科学会所属 認定医
  • 顎顔面インプラント学会所属
  • ICOI(国際インプラント学会)所属 認定医
  • All-on-4 ザイゴマインプラント協会 理事
  • Study Group of the Edentulous Solutions 理事

専門

  • All-on-4 ザイゴマインプラント専門医
  • 九州大学総長賞受賞
    (テーマ: 3Dプリンターによる三次元骨再生)
  • 博士号取得
    (テーマ: カスタムメードチタンメッシュでの骨再生)
  • 国際特許取得
    (主題: All-on-4 のための三次元スキャンボディの開発)

深刻ではない

非常に深刻

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